木下惠介作品上映会 2022年度上半期(2022/4~2022/9)上映特集「木下惠介の隠れた名作をめぐる」

特集『木下惠介の隠れた名作をめぐる』

「日本中を泣かせた監督」「昭和史を代表する監督」などの異名を持ち数々の名作を世に送り出してきた木下惠介は、2022年に生誕110周年を迎えます。今回は、日本映画史上では目立つ位置づけをされていないものの、木下惠介の才能を見て取れる「隠れた名作」をお届けします。映画賞や人気ランキングに縁がなくても、豊かな作家性と野心が反映されている作品を軽視することはできません。名作とは何か、を改めて考えながら「隠れた名作」をめぐりましょう。


上映日 4月17日(日)

【作品詳細】
『今年の恋』
1962(昭和37)年、82分、モノクロ、シネマスコープ
監督・脚本・製作:木下惠介/撮影:楠田浩之、成島東一郎/音楽:木下忠司
出演:岡田茉莉子、吉田輝雄、田村正和、石川竜二、峯京子、三木のり平

【あらすじ】
銀座の料理屋の看板娘・美加子と横浜の良家出身の大学院生・正はそれぞれ弟がいる。弟想いの美加子と正は弟たちをきっかけに出会い、いがみあいつつも次第に恋に落ちる。当時の看板女優である岡田茉莉子と、新東宝から移籍してきた吉田輝雄のコンビをキャスティングし、大船調喜劇を意識しながら演出された恋愛物語。


上映日 5月15日(日)

【作品詳細】
『風前の灯』

1957(昭和32)年、79分、モノクロ、スタンダード
監督・脚本:木下惠介/撮影:楠田浩之/音楽:木下忠司
出演:高峰秀子、佐田啓二、田村秋子、南原伸二、小林トシ子、有沢正子

【あらすじ】
郊外の一軒家に強欲なてつ婆さんと彼女にいびられて苦しむ息子夫婦たちが住んでいる。ある日、若い愚連隊一味がその家の蓄えを狙って強盗を計画するが・・・。『喜びも悲しみも幾歳月』では模範夫婦を好演した高峰秀子と佐田啓二が、本作ではドケチの落第夫婦を演じている。人間の不思議なおかしみを見事に描出したピリ辛コメディ。


上映日 6月19日(日)

【作品詳細】
『婚約指輪(エンゲージ・リング)』
1950(昭和25)年、96分、モノクロ、スタンダード
監督・脚本・製作:木下惠介/撮影:楠田浩之/音楽:木下忠司
出演:田中絹代、三船敏郎、宇野重吉、薄田研二、吉川満子、増田順二

【あらすじ】
病弱な夫を持つ典子と、夫の新たな担当医師で若く壮健な江間は、いつしか互いに惹かれ合い不倫の渦に迷走してしまう。戦後に初めて渡米した日本人俳優として話題になった田中絹代の帰国後第一作。当時、黒沢明作品で脚光を浴びていた三船敏郎が出演した唯一の木下惠介作品であり、三島由紀夫も本作を大絶賛した。


上映日 7月17日(日)

【作品詳細】
『歌え若人達』
1963(昭和38)年、86分、カラー、シネマスコープ
監督・製作:木下惠介/脚本:山田太一/撮影:楠田浩之/音楽:木下忠司
出演:松川勉、川津祐介、三上真一郎、山本圭、岩下志麻、倍賞千恵子

【あらすじ】
大学の寮で暮らしている4人の男子学生の起伏に富んだ日常生活を、風刺の利いたタッチで軽やかに表現した正月映画。木下組の助監督を長年務めていた山田太一が自身の経験を基に書き下ろした脚本を、木下惠介がアレンジし制作した。学生運動真っ盛りの時世に作られた、木下惠介の反骨ぶりが伺える正統派の青春喜劇。


上映日 8月21日(日)

【作品詳細】
『風花』
1959(昭和34)年、78分、カラー、シネマスコープ
監督・脚本:木下惠介/撮影:楠田浩之/音楽:木下忠司
出演:岸惠子、有馬稲子、久我美子、川津祐介、東山千栄子、笠智衆

【あらすじ】
貧農の娘・春子と豪農の次男坊が心中を計るが、春子とそのお腹にいる子どもだけが生き残ってしまう。成長した春子の息子・捨雄は、豪農の家で虐げられる日々の中で、優しく接してくれる従姉のさくらに恋をするが・・・。現在と過去の場面を激しく交錯させ、母と息子のそれぞれ報われない愛を見事に表現した野心作。


上映日 9月18日(日)

【作品詳細】
『二人で歩いた幾春秋』
1962(昭和37)年、102分、モノクロ、シネマスコープ
監督・脚本・製作:木下惠介/原作:河野道工/撮影:楠田浩之/音楽:木下忠司
出演:高峰秀子、佐田啓二、久我美子、倍賞千恵子、山本豊三、野々村潔

【あらすじ】
復員してきた義男は道路工夫、妻・とら江は土木出張所の小使をしながら、息子の成長を糧に地道に働き続けるが・・・。木下惠介が河野道工の歌集『道路工夫の歌』に感銘を受けて映画化した。『喜びも悲しみも幾歳月』で夫婦役を演じた高峰秀子と佐田啓二が、円熟の演技で再び夫婦を演じたヒューマンドラマ。


【開催情報】
上映日:各月第3日曜日
上映開始時刻:①10:00~(9:30開場)②14:00~(13:30開場)
会場:木下惠介記念館(浜松市旧浜松銀行協会)
入場料:100円
対象:小学生以上
主催:木下惠介記念館
お申し込み:不要。当日受付のみ。上映1時間前より受付開始します。


■ 満員の場合は、入場をお断りすることがあります。ご了承ください。
■ 公共交通機関をご利用ください。お車でお越しの際は近隣の有料駐車場を
  ご利用ください。
■ 栄町パーキングをご利用の方には、事務所にて駐車券に駐車料金割引の
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■ 浜松駅バスターミナル3番のりばより全路線「鴨江アートセンター」下車。