【終了しました】2022/10/8(土)木下惠介生誕110周年記念シンポジウム「木下惠介のまなざしを探る」
木下惠介は昭和期を代表する映画監督の一人として、庶民の日常生活に潜んでいる喜び、悲しみ、怒り、哀れを冷徹なまなざしで見つめながら、数多くの人間味溢れる傑作を世に送り出し、多くの観客を魅了しました。1912年浜松の漬物屋に生まれ、両親の寵愛を受け、幼少期から街中の映画館に通い、同じ作品を繰り返し観るほど熱心な映画ファンでした。「家族愛」は映画監督になった木下惠介の原点とも言えます。映画監督として活躍した後、さらにテレビドラマ業界に進出し、人間性を深く追求した作品を制作しました。それにより、木下惠介の表現はより多彩な変貌を遂げました。生誕110周年の今年、木下惠介が家族、映画、そしてテレビに向けた「まなざし」を研究者や関係者の多角的な視座から探ります。
【開催概要】
日時:2022年10月8日(土)13:00~16:30(受付開始 12:30~)
会場:木下惠介記念館・アートホール
対象:中学生以上
定員:50名(先着順)
参加料:500円 ※常設展、特別展示「木下惠介と戦場の固き約束」もご覧いただけます。
主催:木下惠介記念館(浜松市旧浜松銀行協会)
【プログラム】
第一部:講演
➀「木下惠介、人間そして家族愛」
講師:原田 忍(エッセイスト)
➁「木下惠介映画のまなざし」
講師:マチュー・カペル(東京大学教養学部・大学院総合文化研究科超域文化科学専攻表象文化論コース 准教授)
➂「木下惠介とテレビドラマ」
講師:加藤裕治(静岡文化芸術大学文化政策学部文化政策学科 教授)
※敬称略
第二部:パネルディスカッション
登壇者:加藤裕治(静岡文化芸術大学文化政策学部文化政策学科 教授)、原田 忍(エッセイスト)、マチュー・カペル(東京大学教養学部・大学院総合文化研究科超域文化科学専攻表象文化論コース 准教授)
モデレーター:村松 厚(木下惠介記念館 館長)
※敬称略、五十音順
【登壇者プロフィール】
原田 忍(エッセイスト)
木下惠介の5歳上の兄・政二の子で、戦後中国江蘇省徐州市で生まれる。翌年引揚げ後、2歳上の兄と辻堂の惠介の家に住み、二人とも惠介の養子になる。10歳のとき兄を残して養子を解消し、母が住む静岡に転居。早稲田大学教育学部卒。川崎市立小学校、神奈川県立養護学校教師を定年まで勤務。退職後8年間、川崎市社会福祉協議会生活支援員を行う。その後ボランティアとして、川崎市と東京稲城市在住の外国人に日本語を教えて現在に至る。その傍ら書き溜めたエッセイと、母の再婚により14歳から養父となった惠介の末弟八郎が遺した、木下家の古い手紙などを紐解き、惠介を中心にした『木下惠介とその兄弟達』の本を執筆。本年12月出版予定。
マチュー・カペル(東京大学教養学部・大学院総合文化研究科超域文化科学専攻表象文化論コース 准教授)
ソルボンヌヌーベル・パリ3大学映画学博士。専門は日本映画史を中心とする現代映画。1950年代後半以後の高度経済成長期における映画界の転換期、または1980年代からの日本映画のありさまや変遷を研究している。単著(仏語)は『日本脱出 1960年代における日本映画』(2015年)、「岩波映画、あるいは作家の発見」(2018年)、編著は『鏡の映画たち 日本映画の40年(1980年〜2020年)』Ebisu. Etudes japonaises誌, 59号(2022年)、仏訳は吉田喜重、蓮實重彦、小林多喜二、宮川淳など。
加藤裕治(静岡文化芸術大学文化政策学部文化政策学科 教授)
文化社会学の視座から、映像文化やメディアに関する研究を行なっている。近年は、日本の地域社会を伝えるテレビドキュメンタリー「村の記録」(NHK,1960-1985)について、当時の制作者や地域の協力者に聞き取りをすすめ、戦後日本のメディアと社会の関係を考察している。著作として『変容する都市のゆくえ : 複眼の都市論』(共同執筆,文遊社,2020年)、『映像文化の社会学』(共著,有斐閣,2016年)、「『明るい農村(村の記録)』制作過程と「農業・農村」へのまなざしの変容-番組制作者に対する聞き取り調査をもとに」(共著,『マス・コミュニケーション研究』(85),2014年)など。
村松 厚(木下惠介記念館 館長)
浜松市出身。早稲田大学法学部卒業後、1977年ヤマハ株式会社入社。スウェーデン、デンマーク、オランダ、ドイツに通算10年駐在し、ヤマハミュージックベネルックスBV(オランダ)社長などを務めた後、本社マーケティング企画室長、法務・知的財産部長、経営企画室担当部長を経て2012年定年退職。定年退職後、静岡文化芸術大学大学院文化政策研究科入学・修了。浜松市鴨江アートセンター館長、木下惠介記念館館長、浜松創造都市協議会理事、静岡大学イノベーション社会連携推進機構特任教授、静岡文化芸術大学大学院文化政策研究科非常勤講師。
【申し込み方法】
2022年8月25日(木)9:00~受付開始
お申込みにあたり必要事項をご連絡ください。メール、電話、窓口にて承ります。
・講座名、日時
・参加者の氏名、よみがな
・電話番号
・学年(高校生以下の場合)
・開催を知ったきっかけ
木下惠介記念館(浜松市旧浜松銀行協会)
静岡県浜松市中区栄町3-1
窓口:9:00~17:00
TEL:053-457-3450 E-mail:k.m.m@keisukemuseum.org
・新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、開催内容の変更、延期等の可能性があります。
・入場時の手のアルコール消毒、検温、マスクご持参の上の着用にご協力お願いいたします。
・会場内の写真が木下惠介記念館のウェブサイト等に掲載されることがあります。