【終了しました】2024/10/12(土)レクチャー「中村與資平とその時代:朝鮮と台湾の建築をめぐる旅」と旧浜松銀行協会の館内ツアー

木下惠介記念館が入っている歴史的建造物「旧浜松銀行協会」(昭和5年建設/浜松市指定有形文化財)の設計者で浜松出身の建築家・中村與資平(1880~1963)の仕事は朝鮮半島から始まりました。京城府(現ソウル特別市)に設計事務所を開設し、朝鮮各地に銀行、公会堂、学校などをつくり、満州(現中国東北部)にも進出しました。中村與資平らの世代の建築家は、日本の統治下にあった朝鮮、満州、台湾などの地域で、先進的な建築を実現していったのです。今回は同時代の台湾に焦点を当て、その遺産を紹介するとともに、それらのリノベーションについても触れます。その後、浜松の歴史を見守ってきた浜松市有形文化財「旧浜松銀行協会」の館内ツアーを開催します。

1919年 台湾総督府(設計者:長野宇平治、野村一郎、森山松之助)
1932年 林百貨店、末廣町店舗住宅(設計者:梅澤捨次郎)
1908年 台北水源地ポンプ室(設計者:野村一郎、森山松之助)
1908年 西門町市場(設計者:近藤十郎、松崎萬長)
1936年 台北公会堂(設計者:井手薫)

【中村與資平が設計を担当した朝鮮半島の建築物の一部】

1921年 天道教中央大教堂(ソウル特別市有形文化財)無柱の大空間が実現している
1922年 旧朝鮮銀行群山支店(現群山近代建築館)当時最先端のゼセッションのデザイン
1912年 旧朝鮮銀行本店(現韓国銀行貨幤金融博物館)辰野金吾事務所時代、中村與資平が担当

1930年 浜松市旧浜松銀行協会(浜松市指定有形文化財)「浜松銀行協会集会所」として建設され、地中海沿いの街並みを彷彿とさせるスペイン風鉄筋コンクリート二階建ての建築物

中村與資平(1880~1963)

1880年、長上郡天王村(現浜松市東区天王町)で生まれました。浜松高等小学校(現浜松中部学園)、浜松中学(現浜松北高等学校)、第三高等学校(現京都大学)を経て、東京帝国大学(現東京大学)建築科を卒業。東京駅設計で知られる辰野葛西事務所に入所後、1912年、京城(現ソウル特別市)に中村建設事務所を開設、1922年、東京に中村工務所を開設し、銀行や公共建築を数多く手がけました。


【開催概要】

・開催日時:2024年10月12日(土)13:30~15:30
      <レクチャー>13:30~14:30
      <館内ツアー>14:30~15:30
・会場:浜松市旧浜松銀行協会(木下惠介記念館)
・対象:中学生以上
・定員:30名(先着順)
・参加料:500円
・主催:木下惠介記念館(浜松市旧浜松銀行協会)


【講師】

土屋和男(常葉大学造形学部教授)
1968年東京生まれ。芝浦工業大学大学院修了。博士(学術)。一級建築士。専門は近代日本建築史。BS 朝日『百年名家』等で解説・情報提供。著書に『都市デザインの系譜』、『私鉄郊外の誕生』、『境界線から考える都市と建築』等。

※当館も2022年土屋先生の研究調査にご協力させていただきましたが、 土屋先生と学生の金原紫乃氏が執筆された論考「浜松銀行集会所における日本楽器製造の家具について」 は、ただいま常葉大学造形学部リポジトリにて公開されています。ご関心のある方はぜひご覧ください。
土屋和男、金原紫乃「浜松銀行集会所における日本楽器製造の家具について」『常葉大学造形学部紀要』第21号,2023.


【申し込み方法】

2024年8月15日(木)9:00~定員に達するまで
お申し込みにあたり必要事項をご連絡ください。メール、電話、窓口にて承ります。

・タイトル、日時「2024/10/12(土)レクチャー「中村與資平とその時代:朝鮮と台湾の建築をめぐる旅」と旧浜松銀行協会の館内ツアー」
・参加者の氏名、よみがな
・電話番号
・学年(高校生以下の場合)
・開催を知ったきっかけ

木下惠介記念館(浜松市旧浜松銀行協会)
静岡県浜松市中央区栄町3-1 
窓口:9:00~17:00(休館日あり)
TEL:053-457-3450 E-mail:k.m.m@keisukemuseum.org