【終了しました】2023/10/28(土)レクチャー「建築家・中村與資平は朝鮮半島から始まった ~没後60周年・中村與資平の軌跡を辿る~」と旧浜松銀行協会の館内ツアー

木下惠介記念館が入っている歴史的建造物「旧浜松銀行協会」(昭和5年建設/浜松市指定有形文化財)の設計者で浜松出身の建築家・中村與資平の仕事は、朝鮮銀行本店(現韓国銀行本店)から始まりました。京城府(現ソウル特別市)に設計事務所を開設し、朝鮮半島各地に銀行、公会堂、学校などをつくり、満州(現中国東北部)にも進出しました。彼らの世代は、日本の統治下にあった朝鮮、満州、台湾などで、先進的な建築を実現していったのです。現在、中村與資平の建築はいくつも韓国の文化財に指定されています。中村は関東大震災の前年に帰国後、東京市の小学校、静岡県内の銀行、市庁舎、公会堂などを手がけていきました。今年没後60周年となる建築家・中村與資平の軌跡を辿るレクチャーと、浜松の歴史を見守ってきた「旧浜松銀行協会」の館内ツアーです。

天道教中央大教堂
1921年、ソウル特別市有形文化財、無柱の大空間が実現している
旧朝鮮銀行群山支店(現群山近代建築館)
1922年、当時最先端のゼセッションのデザイン
旧朝鮮銀行本店(現韓国銀行貨幤金融博物館)
1912年、辰野金吾事務所時代、中村與資平が担当

浜松市旧浜松銀行協会
1930年に「浜松銀行協会集会所」として建設され、地中海沿いの街並みを彷彿とさせる
スペイン風鉄筋コンクリート二階建ての建築物

中村與資平(1880~1963)

1880年、長上郡天王村(現浜松市東区天王町)で生まれました。浜松高等小学校(現浜松中部学園)、浜松中学(現浜松北高等学校)、第三高等学校(現京都大学)を経て、東京帝国大学(現東京大学)建築科を卒業。東京駅設計で知られる辰野葛西事務所に入所後、1912年、京城(現ソウル特別市)に中村建設事務所を開設、1922年、東京に中村工務所を開設し、銀行や公共建築を数多く手がけました。


開催日 :2023年10月28日(土)
開催時間:①13:30~14:45(館内ツアー+レクチャー)
     ②14:15~15:30(レクチャー+館内ツアー)
     ※レクチャーは①②の合同で行います
会場  :浜松市旧浜松銀行協会(木下惠介記念館)
対象  :中学生以上
定員  :各回15名(先着順)※合計30名
参加料 :500円
主催  :木下惠介記念館(浜松市旧浜松銀行協会)


【講師】
土屋和男(常葉大学造形学部教授)
1968年東京生まれ。芝浦工業大学大学院修了。博士(学術)。一級建築士。専門は近代日本建築史。BS 朝日『百年名家』等で解説・情報提供。著書に『都市デザインの系譜』、『私鉄郊外の誕生』、『境界線から考える都市と建築』等。浜松市立中央図書館/浜松市文化遺産デジタルアーカイブ「中村與資平コレクション」解説を執筆。

※当館も昨年土屋先生の研究調査にご協力させていただきましたが、 土屋先生と学生の金原紫乃氏が執筆された論考「浜松銀行集会所における日本楽器製造の家具について」 は、ただいま常葉大学造形学部リポジトリにて公開されています。ご関心のある方はぜひご覧ください。
土屋和男、金原紫乃「浜松銀行集会所における日本楽器製造の家具について」『常葉大学造形学部紀要』第21号,2023.



【申し込み方法】
2023年9月15日(金)9:00~予約受付開始
お申し込みにあたり必要事項をご連絡ください。メール、電話、窓口にて承ります。

・講座名、日時
・参加者の氏名、よみがな
・電話番号
・学年(高校生以下の場合)
・開催を知ったきっかけ


木下惠介記念館(浜松市旧浜松銀行協会)
静岡県浜松市中区栄町3-1 
窓口:9:00~17:00
TEL:053-457-3450 E-mail:k.m.m@keisukemuseum.org