2023/5/21(日) 木下惠介作品上映会『父よ母よ!』

特集『社会派映画監督・木下惠介』

木下惠介は戦前から戦後に渡り、日本映画の黄金時代を築き上げた一人と言えます。敗戦後、軍国主義が崩壊し民主主義へと大きく移行する中で、木下惠介は時代の空気を敏感に捉え、市井の人々を見つめ続け多くの社会派作品を世の中に送り出しました。
家庭崩壊により本音を隠して非行に走る若者たち、真実を探るもののモラルを逸し善魔化する記者、大学の絶対的権威と無慈悲な規則に反発する女子学生たち、通り魔に刺され死亡した息子のために国に訴えかける父親・・・木下惠介は鋭いまなざしをもって、社会に生きる人々の葛藤や苦悩等を映画で表現しました。
この特集を通じ、現在の世界で起きている様々な出来事について、木下惠介作品に常に内包されている社会への問いかけと共に、考えるきっかけにしていただければと願います。


Ⓒ松竹 1980

【作品詳細】
『父よ母よ!』
1980(昭和55)年、132分、カラー、ビスタサイズ
監督・脚本:木下惠介/原作:斎藤茂男/撮影:小杉正雄/音楽:木下忠司
出演:加藤剛、田村高廣、岩崎加根子、三原順子、夏江麻岐、石田純一

【あらすじ】
ジャーナリストの齋藤茂男のルポルタージュを原作に、木下惠介が作中の新聞記者の眼を通して、戦後35年経ち平和なはずの日本で非行に走る若者たちの実態を追っていく社会的問題作。少年少女たちが反社会的行動にのめり込んでいく中で、親や社会に何を訴えたいのか?彼らの親はどう思っているのか?をドキュメンタリー形式で仕上げ、さらにアニメーションまで駆使するなど、木下惠介の豊かな実験精神を満喫できる一作。

1980年度キネマ旬報ベスト・テン第6位/カルロビバリ映画祭ファシスト闘争賞


【上映会概要】
日程:2023年5月21日(日)①10:00〜 ②14:00~
開場:上映30分前
会場:木下惠介記念館・アートホール
入場料:100円
定員:80名 
主催:木下惠介記念館(浜松市旧浜松銀行協会)
お申し込み:不要。当日受付のみ。上映一時間前より受付開始します。

■ 満員の場合は、入場をお断りすることがあります。ご了承ください。
■ 公共交通機関をご利用ください。お車でお越しの際は近隣の有料駐車場を
  ご利用ください。
■ 栄町パーキングをご利用の方には、事務所にて駐車券に駐車料金割引の
  押印をいたします。
■ 浜松駅バスターミナル3番のりばより全路線「鴨江アートセンター」下車。