2025/12/7(日)戦後80年特別上映『死闘の伝説』&シネマサロン「木下惠介と戦争の記憶」【はままつプラチナ倶楽部共催企画】

2025年、日本は終戦から80年の節目の年を迎えました。人類共通のトラウマである「戦争」を考えるこの機会に、木下惠介監督による映画『死闘の伝説』(1963年)を上映し、メディア研究者の加藤裕治氏(静岡文化芸術大学文化政策学部教授)によるシネマサロンを開催します。

浜松市出身の映画監督である木下惠介は、戦時下に中国の戦線に召集されました。また怪我と病気が原因で送還された後も、ここ浜松の空襲で実家の尾張屋が全焼するなど、戦争によって翻弄された多くの市民の一人です。戦後、木下の戦争への思いは、反戦をテーマにした数々の作品に結実していきました。

戦時下の北海道の寒村における定住者と疎開者の対抗を描いた『死闘の伝説』が公開されたのは1963年。日本の敗戦から20年近くが経ち、その翌年、日本は東京オリンピックで本格的に国際社会に復帰します。日本社会が大きく変化する時代、木下監督はこの作品でどのようなメッセージを伝えたかったのでしょうか。

『死闘の伝説』からさらに60年が経過し、先の戦争の記憶が薄れる終戦後80年の今、あらためて本作品を通して、戦争の記憶をふりかえる意味について、みなさんと考える機会になれば幸いです。 

       


©『死闘の伝説』1963 松竹

【上映作品】

『死闘の伝説』
1963(昭和38)年、83分、モノクロ(一部カラー)、シネマスコープ

監督・脚本・製作:木下惠介/撮影:楠田浩之/音楽:木下忠司
出演:岩下志麻、加賀まりこ、加藤剛、田中絹代、加藤嘉、菅原文太

戦時下、北海道に疎開してきた園部家の娘・黄枝子に、村長の息子・剛一との縁談が持ち上がる。しかし大陸戦線での剛一の残虐行為を目撃した長男・秀行は縁談を断ったため、村中の園部家迫害が始まった。太平洋戦争末期、戦争は戦時だけでなく戦後まで狂気をもたらしてしまうという悲劇的顛末を描いたバイオレンス映画。音楽は弟・木下忠司でアイヌの民族楽器ムックリを用いてサスペンスを盛り上げる。


【開催概要】

・日時:2025年12月7日(日)13:30~16:00(13:00開場・受付開始)
・会場:木下惠介記念館 アートホール
・対象:中学生以上
・定員:50名(先着順)
・参加料:500円
・共催:木下惠介記念館(浜松市旧浜松銀行協会)・はままつプラチナ俱楽部


【プログラム】

13:30 開始

13:35~14:58 特別上映『死闘の伝説』(83分)

14:58~15:10 休憩

15:10~15:50 シネマサロン「木下惠介と戦争の記憶」

          ・講師:加藤裕治(静岡文化芸術大学文化政策学部文化政策学科 教授)

15:50~16:00 質疑応答

16:00 終了

※諸般の事情により、プログラムの時間が一部変更になりました。


【講師】加藤裕治(かとう ゆうじ)

静岡文化芸術大学文化政策学部文化政策学科教授。文化社会学の視座から、メディアや映像文化に関する研究を行なっている。最近の著作として「「村の記録」のなかの都市:テレビ・ドキュメンタリーに描かれた農村の変容」『変容する都市のゆくえ : 複眼の都市論』(共同執筆,文遊社,2020年)、『映像文化の社会学』(共著,有斐閣,2016年)など。2022年10月に木下惠介記念館で開催された「木下惠介生誕110周年記念シンポジウム 「木下惠介のまなざしを探る」」では、「木下惠介とテレビドラマ」のタイトルで報告した。


【はままつプラチナ倶楽部とは?】

「自分が輝き、みんなで輝き、社会が輝く」を活動コンセプトに、主にシニア層を対象に、元気、寛ぎ、学び、遊び・交流をキーに共に輝き、充実した生活を送ることが出来るよう、関係者、関係団体等と協働し、地域や社会に貢献していくことを目的としている。主に、はままつプラチナ交流サロンを、2か月に1回のペースで開催。映画、郷土の歴史や文化、偉人、産業、まちづくりなどをテーマに、講師(話題提供者)を中心にお話を聞き、そして皆で語り合う、交流サロンを開催している。これまでに招いた講師:榎本雅之(シネマイーラ館主)、横山俊夫(静岡文化芸術大学長)、斉藤行雄(谷島屋社長)など。


        

【申込方法】

お申込みにあたり必要事項をご連絡ください。メール、電話、窓口にて承ります。

・2025/12/7(日)戦後80年特別上映『死闘の伝説』&シネマサロン
・参加者の氏名、よみがな
・電話番号
・学年(高校生以下の場合)
・開催を知ったきっかけ

木下惠介記念館(浜松市旧浜松銀行協会)
静岡県浜松市中央区栄町3番地の1 
窓口:9:00~17:00(休館日あり)
TEL:053-457-3450 E-mail:k.m.m@keisukemuseum.org


■ 公共交通機関をご利用ください。お車でお越しの際は近隣の有料駐車場をご利用ください。
■ 浜松駅バスターミナル3番のりばより全路線「鴨江アートセンター」下車。