2025/06/15(日) 木下惠介作品上映会『香華(一部 吾亦紅の章)』

特集「木下惠介と感官センスの冒険」

「映画は総合芸術」といわれるように、卓越した映画作品は、優れた美術、音楽、演劇、文芸、建築など、様々な芸術表現の要素が巧みに構成されて実現します。そのすべてを統括し、総合的に判断して一本の作品に結実させることこそが、映画監督の役目です。「天才監督」と呼ばれる木下惠介は、幼いころよりあらゆる感官(sense)や感受性(sensitivity)が鋭敏であったと言われ、バランス感覚に秀でていました。

感官とは、視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚、すなわち「五感」のことを言います。五感を超え、物事の本質を捉える能力が「第六感」だと言われています。これらすべてに並外れた敏感さを持つ木下の感性が、数々の名作の基盤となりました。本特集では、木下惠介によるあらゆる感官の冒険を思わせる6本の作品を紹介します。


Ⓒ松竹 1964

【作品詳細】
香華(一部 吾亦紅の章)』
1964(昭和39)年、88分、モノクロ、シネマスコープ

監督・脚本:木下惠介/原作:有吉佐和子/撮影:楠田浩之/音楽:木下忠司
出演:岡田茉莉子、乙羽信子、田中絹代、杉村春子、加藤剛、岡田英次

明治後期の紀州からはじまる、色香漂う享楽的な母と、遊郭に芸者として売られた娘・朋子の愛憎入り乱れた年代記。芸事のお稽古に向かいめきめきと開花していった娘の元に、母が花魁として表れる。母と呼ぶことも禁じられ、朋子はその姿を見つめるしかできない…。あわせて3時間半を越える木下惠介最長の作品の前篇。

1964年度キネマ旬報ベスト・テン第3位


【上映会概要】
日程:2025年6月15日(日)①10:00〜 ②14:00~
開場:上映30分前
会場:木下惠介記念館・アートホール
入場料:100円
定員:80名
主催:木下惠介記念館(浜松市旧浜松銀行協会)
お申し込み:不要。当日受付のみ。上映一時間前より受付開始します。

■ 満員の場合は、入場をお断りすることがあります。ご了承ください。
■ 公共交通機関をご利用ください。お車でお越しの際は近隣の有料駐車場をご利用ください。
■ 浜松駅バスターミナル3番のりばより全路線「鴨江アートセンター」下車。