【終了しました】2024/08/25(日)特別上映『涙』&楠田芳子生誕100周年記念トークイベント「遠州に柔らかい風が吹く」

<おしらせ>定員に達したため、お申込み受付を終了しました。

2024年、木下惠介監督の実妹で脚本家の楠田芳子は生誕100周年を迎えました。浜松に生まれた芳子は文学少女で、木下監督との黄金コンビであるカメラマンの楠田浩之と結婚した後に、兄・惠介の影響で脚本を書き始め、脚本家の道を歩みました。『この広い空のどこかに』(監督:小林正樹/1954年)、『夕やけ雲』(監督:木下惠介/1956年)など映画脚本業界で活躍した後、テレビドラマのシナリオでも秀作を発表し、高く評価されました。この記念すべき節目に合わせて、芳子によるオリジナル脚本で故郷の浜松を舞台に展開する『涙』(監督:川頭義郎/1956年)の特別上映会を開催します。上映後に、楠田浩之と芳子の長男でテレビ演出家の楠田泰之氏をゲストに迎え、芳子をはじめ、楠田家族や木下兄弟に関するお話を伺います。また、日本の女性映画人を研究する、広島市映像文化ライブラリーの森宗厚子氏をコメンテーターに加え、女性脚本家の少ない時代に活躍していた芳子の日本映画史における位置付けや、木下組における女性映画人の活動を紐解いていただきます。生誕100周年をきっかけに、脚本家・楠田芳子の映画人生を振り返る機会になればと願います。


青年期の芳子
晩年期の芳子
惠介と芳子
忠司と芳子

【開催概要】

・日時:2024年8月25日(日)13:30~17:00(13:00開場)
・会場:木下惠介記念館 アートホール
・対象:中学生以上
・定員:40名(先着順)
・参加料:500円
・主催:木下惠介記念館(浜松市旧浜松銀行協会)


【プログラム】

13:30 開始

13:35~15:10 特別上映『涙』(94分)

15:10~15:20 休憩

15:20~16:40 楠田芳子生誕100周年記念トークイベント「遠州に柔らかい風が吹く」
          ・トークゲスト:楠田泰之(テレビプロデューサー・演出家/楠田浩之と芳子の長男)
          ・コメンテーター:森宗厚子(広島市映像文化ライブラリー 映像文化専門官)
          ・聞き手:村松 厚(木下惠介記念館 館長)

16:40~17:00 質疑応答

17:00 終了


©『涙』1956 松竹

【上映作品】

『涙』
(1956年、94分、モノクロ、スタンダード)

監督:川頭義郎/ 脚本:楠田芳子/撮影:楠田浩之/音楽:木下忠司
出演:若尾文子、佐田啓二、石浜朗、田村高廣、杉田弘子

浜松市の楽器工場に勤務する女工・山崎志津子は、同じ会社の事務員・磯部雄二に恋心が募る。しかし、志津子がまだ幼い頃に、勤め先の使い込みで逮捕された父や、渡り鴉の作業員仕事をする兄などの暗い家庭事情によって、雄二の両親は二人の縁談を強く反対する。思いあまった志津子は叔母と連れ立ち、郊外の寺へ住職の甥と見合しに赴き、ついに結婚への決心を固めて、雄二と別れようとするが・・・


【トークゲスト】楠田泰之(くすだ やすゆき)

テレビプロデューサー・演出家
父は木下惠介監督映画のカメラマンを務めた撮影監督の楠田浩之。母は木下惠介および作曲家の木下忠司の妹で脚本家の楠田芳子。1969年、立教大学卒業。1970年、木下恵介プロダクション(現・ドリマックステレビジョン)に入社し、1975年、TBSテレビ・木下恵介 人間の歌シリーズ「旅への誘い」(脚本・山田太一)で監督デビュー。1988年、制作会社アベクカンパニー(AVEC)の設立に参画。2009年、アベクカンパニーを退社し、フリーランスの演出家として活動を続ける。数多くの作品は、そのほとんどがオリジナルであり、脚本家と共に物語を作った。その中でも「パテオ」は、今では普通になっているテレビのその後の完結編を劇場で観る!という先駆けの作品である。「もう誰も愛さない」、「あなただけ見えない」などは、スピード感あふれ目を離せないドラマとして「ジェットコースタードラマ」と呼ばれた。また、木下プロダクション時代に手がけた「毎度おさわがせします」は、思春期の子供達の「性」に対する思いを今までになかった視点で捉えた新しいホームドラマとして世間を騒がせた作品である。「金曜日の妻たち」は多くの方、とりわけ女性に支持された作品だった。時代劇「陽はまた昇る」は、この浜松出身である元新撰組隊士・中島登の明治維新後の生涯を描いた作品である。多数のシリーズ作品に携わり数百本の演出を手がけ、時代と共にテレビ界を駆け抜け現在に至っている。日本映画監督協会所属。

【コメンテーター】森宗厚子(もりむね あつこ)

フィルム・アーキビスト、映画研究者
1990年代より上映や映画書編集および映画祭などに従事したうえ、2024年4月より広島市映像文化ライブラリーにて映像文化専門官として上映企画や映画保存に携わる。2020年から2023年まで国立映画アーカイブ特定研究員として、日本映画史における女性スタッフたちの歩みを再評価する「日本の女性映画人」(1)(2)などを担当し、NFAJニューズレターに「日本における女性映画人の歴史を掘り起こす――1960年代以前の女性スタッフ人名録の試み」「女性が劇映画監督を“職業“とし始めた1990年代」を執筆。女性脚本家についての論文として、「「日本初の女性脚本家」再考 1920年代後半日活における時代劇の脚本家・林義子」を『映画研究』18巻(2023年)に発表。


【申込方法】

お申込みにあたり必要事項をご連絡ください。メール、電話、窓口にて承ります。

・タイトル、日時「2024/8/25(日)特別上映『涙』&楠田芳子生誕100周年記念トークイベント「遠州に柔らかい風が吹く」」
・参加者の氏名、よみがな
・電話番号
・学年(高校生以下の場合)
・開催を知ったきっかけ

木下惠介記念館(浜松市旧浜松銀行協会)
静岡県浜松市中央区栄町3番地の1 
窓口:9:00~17:00(休館日あり)
TEL:053-457-3450 E-mail:k.m.m@keisukemuseum.org


■ 公共交通機関をご利用ください。お車でお越しの際は近隣の有料駐車場をご利用ください。
■ 浜松駅バスターミナル3番のりばより全路線「鴨江アートセンター」下車。